仲介会社から「買取に切り替えましょう」と言われたら
仲介に出して3ヶ月、6ヶ月。内覧はあるのに成約に至らない。そんなとき仲介会社から「買取業者に売りませんか」と提案されるケースがあります。
売主としては「早く売れるなら」と前向きに感じるかもしれません。しかし、仲介経由で買取業者に売る場合、買取価格が安いうえに仲介手数料まで発生する「二重負担」になることをご存じでしょうか。
仲介経由の買取では「市場価格の7〜8割の買取価格」に加えて「仲介手数料(売却額の3%+6万円+税)」が差し引かれます。買取会社に直接売却すれば手数料はゼロ。手取り額に数十万〜100万円以上の差が出ることがあります。
仲介経由で買取に至る仕組み
まず、「仲介経由の買取」がどういう構造なのかを整理します。
通常の仲介売却
仲介会社が一般市場で買い手(主に個人)を探します。成約すれば仲介手数料が発生しますが、市場価格に近い金額で売れる可能性があります。
仲介経由の買取
仲介会社が買い手を見つけられなかった場合、自社が付き合いのある買取業者を紹介し、そこに売却するケースです。この場合の関係は以下のようになります。
| 関係者 | 役割 |
|---|---|
| 売主(あなた) | 物件を売却する |
| 仲介会社 | 買取業者を紹介し、仲介手数料を受け取る |
| 買取業者 | 物件を買い取る(再販・賃貸運用で収益化) |
ここで注目すべきは、買取業者に売るのに、仲介会社に手数料を払う構造になっている点です。仲介会社は「買い手探し」ではなく「買取業者の紹介」で手数料を得ています。
直接買取
売主が仲介会社を介さず、買取会社に直接売却する方法です。間に仲介が入らないため、仲介手数料は発生しません。買取会社との直接交渉で、査定から決済まで進みます。
手取り額のシミュレーション比較
具体的にいくら違うのか。物件価格ごとに比較します。
3,000万円の物件の場合
| 項目 | 仲介経由の買取 | 直接買取 |
|---|---|---|
| 買取価格(市場の80%想定) | 2,400万円 | 2,400万円 |
| 仲介手数料 | 約84万円(税込) | 0円 |
| 手取り額 | 約2,316万円 | 2,400万円 |
| 差額 | 約84万円の差 | |
2,000万円の物件の場合
| 項目 | 仲介経由の買取 | 直接買取 |
|---|---|---|
| 買取価格(市場の80%想定) | 1,600万円 | 1,600万円 |
| 仲介手数料 | 約58万円(税込) | 0円 |
| 手取り額 | 約1,542万円 | 1,600万円 |
| 差額 | 約58万円の差 | |
1,000万円の物件の場合
| 項目 | 仲介経由の買取 | 直接買取 |
|---|---|---|
| 買取価格(市場の80%想定) | 800万円 | 800万円 |
| 仲介手数料 | 約33万円(税込) | 0円 |
| 手取り額 | 約767万円 | 800万円 |
| 差額 | 約33万円の差 | |
仲介手数料の上限は「売却価格×3%+6万円+消費税」です。買取価格が下がればその分手数料も下がりますが、「安く売れたうえに手数料も取られる」という構造は変わりません。
なぜ仲介会社は買取業者を紹介するのか
仲介会社が買取業者を紹介する背景には、ビジネス構造上の理由があります。
仲介会社にとって、長期間売れない物件は「在庫コスト」です。広告費はかかり続け、担当者の時間も拘束されます。媒介契約の更新を繰り返しても成約に至らなければ、売上はゼロです。
そこで買取業者に紹介して成約させれば、仲介手数料を確保できます。買取業者側からも手数料が入る「両手取引」になるケースもあり、仲介会社にとっては合理的な選択です。
これは不正ではありません。ただし、売主にとって最善の選択肢かどうかは別問題です。仲介会社が紹介する買取業者は「その仲介会社と付き合いがある業者」に限られます。複数の買取会社から見積もりを取って比較したわけではないため、提示された価格が適正かどうかを判断しにくい構造になっています。
仲介契約中でも直接買取に切り替えられるのか
「仲介に出している最中に、別の会社に直接売れるの?」という疑問は当然です。結論から言えば、媒介契約の種類と期間によって対応が変わります。
一般媒介契約の場合
複数の不動産会社に同時に依頼できる契約です。売主が自ら見つけた買い手との取引も可能です。一般媒介であれば、契約期間中でも買取会社に直接売却することは問題ありません。
専任媒介契約の場合
1社のみに依頼する契約ですが、売主が自ら見つけた買い手と直接取引することは認められています。ただし、仲介会社を通さず他の不動産会社に依頼することはできません。契約期間は最長3ヶ月。期間満了後に更新しなければ、自由に買取会社に依頼できます。
専属専任媒介契約の場合
もっとも拘束力が強い契約です。売主が自ら見つけた買い手と取引することもできません。この場合は契約期間(最長3ヶ月)の満了を待つ必要があります。
お手元の媒介契約書に「一般」「専任」「専属専任」のいずれかが記載されています。契約期間(開始日と終了日)も確認できます。期間が満了すれば、いずれの契約形態でも更新は任意です。自動更新はありません。
仲介会社に言いにくい場合の対処法
「仲介会社にお世話になっているのに、他で売るなんて言いづらい」。こう感じる方は多いです。しかし、考えていただきたいことがあります。
売却は、あなたの人生に関わる意思決定です。不動産は多くの場合、人生で最も高額な資産です。その売却先を「言いにくいから」という理由で限定するのは、あまりにもったいないことです。
円満に切り替える方法はあります。
方法①:媒介契約の満了を待つ。専任・専属専任でも最長3ヶ月で満了します。更新しなければ自由に他社に依頼できます。仲介会社への感謝を伝えたうえで、「事情が変わったので更新しない」とお伝えすれば十分です。
方法②:仲介会社に正直に伝える。「買取を直接検討したい」と率直に伝えることも選択肢です。誠実な仲介会社であれば、売主の意向を尊重してくれます。
方法③:まず買取会社に相談だけする。媒介契約中でも相談・査定を受けること自体は問題ありません。査定額を知ったうえで、仲介を継続するか買取に切り替えるか判断できます。
仲介経由の買取と直接買取、5項目で比較
| 比較項目 | 仲介経由の買取 | 直接買取 |
|---|---|---|
| 仲介手数料 | あり(売却額の3%+6万円+税) | なし |
| 業者の選択肢 | 仲介会社の紹介先に限定 | 自分で複数社を比較可能 |
| 価格交渉 | 仲介会社を通じて間接的 | 買取会社と直接交渉 |
| スピード | 仲介で売れない期間+買取手続き | 最短数日で決済可能 |
| トータルコスト | 手数料+仲介期間の維持費 | 手数料なし+維持費最小 |
当社の対応について
不動産売却サポート株式会社は、買取会社として売主から直接物件を購入しています。仲介会社を介さないため、仲介手数料は一切かかりません。
また、当社は仲介専門の提携会社2社(関東・関西)とも連携しています。査定の結果、仲介で売ったほうが有利と判断した場合は、正直にお伝えしたうえで提携会社の仲介をご案内することもできます。
| 当社に直接ご相談いただくメリット | |
|---|---|
| 仲介手数料 | ゼロ(当社が直接買取) |
| 査定根拠 | 書面で提示。算出根拠を明確に説明 |
| 後出し値下げ | しません。提示した金額で買い取ります |
| 仲介中でも | 相談・査定は可能。契約状況に応じてアドバイス |
| 資本金 | 1億円。現金決済・融資特約なし |
現在仲介に出していて「なかなか売れない」「買取を提案された」という方は、まず直接買取の査定額を確認してみてください。比較材料があるだけで、判断の精度は大きく変わります。
📝 仲介中でもご相談いただけます。無料査定はこちら 📄 関連記事:仲介と買取、どちらが自分に向いているか判断する基準 📋 買取の流れ(最短3日〜)を確認する
