「何かおかしい」という感覚は、たいてい正しい

仲介会社に売却を依頼したものの、「最近、連絡が来ない」「内覧の件数が不自然に少ない」「値下げばかり提案される」——こうした違和感を覚えている方は少なくありません。

不動産売却の経験がないから自信が持てない、と感じるかもしれません。しかし、あなたの違和感は多くの場合、正しいシグナルです。

💡 この記事の結論

仲介会社の対応に疑問を感じたら、5つの危険信号を確認してください。問題があった場合の選択肢は「改善要求」「会社変更」「買取への切り替え」の3つです。どの選択肢が最善かは、状況によって異なります。

5つの危険信号と確認方法

信号① 連絡の頻度が極端に減った

売却開始直後は頻繁に連絡があったのに、1ヶ月、2ヶ月と経つにつれて連絡が途絶える。「反響がありません」という報告すら来ない。

専任媒介・専属専任媒介では、仲介会社に定期的な報告義務があります。専任媒介なら2週間に1回以上、専属専任媒介なら1週間に1回以上の報告が法律で定められています。この報告がなければ、法律違反です。

確認方法:媒介契約書を確認し、契約の種類を把握してください。報告頻度が契約に満たない場合は、仲介会社に「契約上の報告義務について確認したい」と伝えてください。

信号② 値下げの提案ばかりされる

「反響がないので値下げしましょう」。この提案自体は不正ではありません。ただし、値下げの根拠が曖昧な場合、売主を追い込んで安値で成約させようとしている可能性があります。

注意すべきは、「なぜ売れないのか」の分析がないまま値下げだけを提案されるケースです。内覧はあるのか、問い合わせは何件来ているのか、同エリアの競合物件はどんな価格で出ているのか——これらの情報提供なく「とりあえず下げましょう」は、不誠実な対応です。

確認方法:「値下げの前に、現在の販売活動の状況を書面で教えてください」と依頼してください。具体的な数字(問い合わせ数・内覧数・レインズ・ふれんずでの閲覧数)を出せない会社は、そもそも十分な活動をしていない可能性があります。

信号③ 囲い込みの疑い

囲い込みとは、仲介会社が他社からの購入申込を意図的にブロックし、自社で買い手を見つけて両方から手数料を得ようとする行為です。売主にとっては、買い手の選択肢が狭まり、売却期間が長引き、最終的に安値で売らされるリスクがあります。

囲い込みは2024年の宅建業法改正で明確に禁止されました。しかし、巧妙な形で残っているのが実態です。

確認方法:売主はレインズ・ふれんずの「売却依頼主用ログイン」で、自分の物件の登録状況を確認できます。媒介契約時に仲介会社からID・パスワードが交付されているはずです。物件が「公開中」になっているか、「一時紹介停止中」になっていないかを確認してください。

⚠ レインズ・ふれんずとは

国土交通大臣が指定する不動産流通機構が運営する、不動産会社間の物件情報ネットワークです。仲介会社は専任・専属専任媒介の場合、レインズへの登録が義務づけられています。登録されていなければ、他の不動産会社があなたの物件を知ることができず、買い手の候補が大幅に減ります。

信号④ 広告活動が見えない

自分の物件がどのポータルサイトに掲載されているか、把握していますか? SUUMO、HOME'S、at home——主要サイトで自分の物件名やマンション名で検索してみてください。

掲載されていない、または写真が少ない・間取り図がない・魅力的でない紹介文しかない場合、仲介会社が十分な販売努力をしていない可能性があります。

確認方法:主要ポータルサイトで自分の物件を検索し、掲載内容を確認してください。「どのサイトに、いつから掲載していますか?」と仲介会社に質問することも有効です。

信号⑤ 内覧の報告が不自然

「内覧の申込みがありません」と言われ続けているのに、相場から大きく外れた価格でもない。エリアの需要も悪くない。それなのに問い合わせすらゼロ——。

この場合、実際には問い合わせが来ているのに、囲い込みのために「紹介できない」と他社に断っている可能性があります。あるいは、広告活動が不十分で、そもそも物件の存在が買い手に知られていない可能性もあります。

確認方法:信号③のレインズ・ふれんず確認と信号④の広告確認を組み合わせてください。両方に問題がなければ、価格設定の見直しが必要かもしれません。どちらかに問題があれば、仲介会社の対応に原因がある可能性が高いです。

問題が見つかった場合の3つの選択肢

選択肢① 仲介会社に改善を求める

まずは現在の仲介会社に改善を求めるのが最初のステップです。具体的に何を改善してほしいのかを明確に伝えてください。

「報告頻度を上げてほしい」「レインズ・ふれんずの登録状況を確認させてほしい」「広告の掲載先を教えてほしい」——こうした要求は売主の正当な権利です。

誠実な仲介会社であれば、改善に応じてくれます。逆に、改善要求に対して曖昧な返答や逆ギレが返ってきた場合は、会社変更を検討すべき段階です。

選択肢② 仲介会社を変更する

媒介契約の期間が満了すれば、別の仲介会社に依頼できます。一般媒介であれば契約期間中でも他社に依頼可能です。

会社を変える際のポイントは、次の会社に「前の会社でどんな問題があったか」を正直に伝えることです。同じ失敗を繰り返さないための重要な情報になります。

当社の提携会社(関東・関西)では、囲い込みを一切行わず、レインズ・ふれんずへの適正登録と定期報告を徹底しています。仲介をご希望の場合はご紹介できます。

選択肢③ 買取に切り替える

仲介での売却に疲弊した方にとって、買取は根本的な解決策になり得ます。

仲介のストレス 買取ならどうなるか
仲介会社との信頼関係の問題 買取会社が直接買主。仲介会社は不要
囲い込みの疑い・不透明さ 買取会社との1対1の取引。第三者が介在しない
いつ売れるかわからない不安 買取なら確実に、期日を決めて売れる
内覧対応の負担 内覧は原則不要(または1回のみ)
近隣への売却バレ 広告不要。秘密厳守で完了

買取価格は仲介での売却価格より低くなりますが、仲介期間中の維持費(ローン返済・管理費・固定資産税)や仲介手数料を差し引くと、実質的な手取り差は想像より小さいケースが多いです。

📄 仲介経由の買取と直接買取の違い——手取り額を数字で比較

大切なのは「我慢しないこと」

不動産売却は人生の中でも大きな決断です。その過程で不誠実な対応を受けながら我慢する必要はありません。

仲介業界全体が悪いわけではありません。多くの仲介会社は売主の利益を第一に活動しています。しかし、一部の不誠実な対応が存在するのも事実であり、売主が自分で状況を確認し、必要に応じて行動することが何より重要です。

「今の状況がおかしいのかどうかわからない」「何をどう確認すればいいかわからない」という方は、まずご相談ください。買取を前提としない相談にも対応しています。

📝 今の状況を正直にお話しください。最善の選択肢をお伝えします 📄 関連記事:仲介と買取、どちらが自分に向いているか判断する基準 📊 買取実績・解決事例を確認する