借地権付き物件は「売れない」のか

借地権付き物件をお持ちの方から、「借地だから売れない」「地主が承諾してくれるかわからない」というご相談をよくいただきます。結論から言えば、借地権付き物件は売却できます。ただし、所有権の物件とは手続きが大きく異なり、地主との交渉が不可欠です。

この記事では、借地権の基本から、売却に必要な手続き、譲渡承諾料の相場、そして交渉が難航した場合の対処法まで、実務に即して解説します。

💡 この記事の結論

借地権の売却には地主の承諾が必須で、譲渡承諾料(借地権価格の10%前後)が発生します。地主との関係が良好なら仲介で売却可能ですが、交渉が難航する場合や手続きの煩雑さを避けたい場合は、借地権の取扱いに慣れた買取業者に依頼するのが現実的です。買取業者が地主交渉を含めて一括で対応します。

借地権の基本——売却前に知っておくべきこと

借地権の種類

借地権には大きく分けて2つの種類があります。売却の難易度が異なるため、まず自分の借地権がどちらに該当するか確認しましょう。

種類 旧借地権(旧法借地権) 定期借地権
根拠法 旧借地法(1992年以前に設定) 借地借家法(1992年以降)
期間 更新あり(半永久的) 50年等。更新なし・期間満了で返還
売却のしやすさ 比較的売りやすい 残存期間が短いと売りにくい
市場での評価 所有権の6〜7割程度 残存期間により大きく変動

都内の古い住宅地では旧法借地権が圧倒的に多く、これは更新が可能なため資産価値が比較的安定しています。一方、定期借地権は期間満了で土地を返す契約であり、残り年数が短くなるほど売却は困難になります。

借地権の売却に必要な地主の承諾

借地権を第三者に譲渡する場合、地主(底地権者)の承諾が必要です(民法612条)。承諾なしに勝手に売却すると、借地契約の解除事由になりかねません。

承諾を得るためには、通常「譲渡承諾料」を地主に支払います。これは法律で定められた金額ではなく、あくまで慣行ですが、以下が相場の目安です。

承諾の種類 相場
譲渡承諾料(名義書換料) 借地権価格の10%前後
建替承諾料 更地価格の3〜5%
条件変更承諾料(非堅固→堅固) 更地価格の10%前後

たとえば、借地権価格が2,000万円の物件であれば、譲渡承諾料は200万円前後が目安になります。この費用は通常、売主(借地人)が負担します。

地主との交渉——うまくいくケースと難航するケース

スムーズに進むケース

地主との関係が良好で、長年の地代の滞納がなく、建物の用途変更もない場合は、承諾が得られやすい傾向にあります。また、地主自身が高齢で底地の管理を手放したいと考えている場合は、借地権と底地の同時売却(いわゆる「同時売却」)が実現し、双方にとって有利な条件で売却できることもあります。

難航するケース

交渉が難しくなる典型的なパターンは以下のとおりです。

⚠ 交渉が難航する典型パターン

地代の値上げ要求とセット:「承諾するなら地代を上げてほしい」と条件を出されるケース。
地主の相続で窓口が不明:地主が亡くなり、相続人が複数いて誰が交渉相手かわからないケース。
地主が承諾を拒否:借地人との関係悪化や、地主自身が土地を使いたい意向がある場合。
承諾料の金額で折り合わない:地主が相場以上の承諾料を要求するケース。

地主が承諾しない場合の「借地非訟手続き」

地主がどうしても承諾しない場合、裁判所に「借地非訟手続き」を申し立てることで、地主の承諾に代わる許可を得ることができます(借地借家法19条)。ただし、手続きには6か月〜1年程度かかり、弁護士費用も発生するため、現実的にはこの手段を取る前に他の解決策を模索するのが一般的です。

借地権を買取業者に売却するメリット

借地権の売却で最も負担が大きいのは、地主との交渉です。買取業者に依頼する最大のメリットは、この交渉を業者が代行してくれる点にあります。

比較項目 仲介で売却 買取業者に売却
地主交渉 売主(または仲介会社)が対応 買取業者が直接交渉
譲渡承諾料 売主が負担 買取価格に織り込み(実質負担なし)
買い手探し 借地権に理解のある買い手を探す必要あり 業者が直接買主
所要期間 3か月〜1年(交渉含む) 1〜2か月程度
売却価格 相場に近い(ただし承諾料は別途) 相場の7〜8割(承諾料込み)
不成立リスク 地主が承諾しなければ白紙 業者が承諾取得をリスク負担

借地権に慣れた買取業者は、地主との交渉実績が豊富です。譲渡承諾だけでなく、底地の買取交渉(底地と借地権を統合して所有権化する)や、地主との同時売却の提案など、売主一人では実現しにくい選択肢を提示できるのが強みです。

当社の借地権買取への対応

不動産売却サポート株式会社では、借地権付き物件の買取に対応しています。

借地権付き物件の買取対応
対応する借地権の種類 旧法借地権・定期借地権いずれも相談可
地主交渉 当社が譲渡承諾の交渉を代行
譲渡承諾料 買取価格に織り込み(売主の持出しなし)
底地との同時売却 地主の意向次第で提案可能
建物の状態 築古・残置物ありでも対応可
契約不適合責任 原則免責

借地権の売却は、所有権の物件と比べて検討すべき事項が多く、地主との関係性によって取れる選択肢も変わります。「そもそも売れるのか」「地主に切り出すタイミングは」「承諾料はいくらくらいか」——こうした初期段階のご相談から対応しています。

地主との関係に不安がある方、交渉を自分でやりたくない方は、まずは状況をお聞かせください。借地権の内容と地主との関係をお伺いしたうえで、最も現実的な売却方法をご提案します。

📝 借地権の売却もお任せください。無料査定はこちら 📄 関連記事:仲介では売りにくい物件の買取——7タイプ別に解説 📊 買取実績・解決事例を確認する